ドライキャットフードとウェットキャットフードではどちらが良いのか

ドライフードとウェットフードの特徴

ドライフードの水分含有量は10%以下です。
ドライフードのほぼすべての商品は総合栄養食であり、また開封後も保管しやすいことから普段から与える食事として選ばれています。総合栄養食とは、からだに必要な栄養がバランスよく含まれているフードのことをいい、目安となる摂取量を水と一緒に与えることで基本的な健康を維持することができます。

ドライフードの種類は子猫から老猫までのライフステージに合わせたものから、ダイエット目的のもの、さらには腎臓病や膀胱炎、尿路結石といった猫がかかりやすい病気に対応したものまで多岐にわたります。また、価格帯も安いものから高いものまで幅広く、素材にこだわったものでは同じ内容量でも値段は2~3倍違うものもあります。

一方、ウェットフードの水分含有量は75%程度でドライフードよりも多くなっており、ツナ缶のようなものやジェルタイプ、スープタイプなど、さまざまな形状があります。ウェットフードにも総合栄養食はありますが、好き嫌いがはげしい猫を満足させるために栄養バランスよりも素材を生かした作りになっている「一般食」の方が多く出回っています。

総合栄養食に比べると一般食は栄養が偏っているため、サイドメニューやおやつとして、また苦手な爪切りやお風呂のあとのご褒美として与えるのに適しています。

猫のからだへの影響

ドライフードやウェットフードに含まれる水分量の違いは、もともとあまり水を飲まない猫の健康状態に異なる影響を与えます。

ドライフードの場合

水分が少ないドライフードは歯石がつきにくいため、虫歯や口臭、歯周病の予防につながるというメリットがあります。その反面、ドライフードだけでは猫に必要な水分量(体重1㎏あたり40ml程度)が確保できず、膀胱炎や尿路結石などの病気にかかりやすくなります。ドライフードを食べた後水を飲んでいるかどうか確認する必要があります。

また腎臓病になると頻繁に水を飲むようになります。普段から水分摂取量をチェックしておくと体調の変化に気づきやすく、病気の早期発見につながります。

ウェットフードの場合

ウェットフードは水分量が多いため、食事と水分を同時に摂取することが出来ます。また食事量が足りない猫には手軽に水分や栄養を補給することが出来ます。

その反面、形状によっては歯に食べカスが残りやすく歯周病の原因になります。猫につらい思いをさせないよう子猫のころからペット用歯ブラシや歯磨きシートを利用して、口腔内を清潔に保つようにしましょう。定期的に口の中をチェックすることも大切です。おとなになってから習慣づけようとしても嫌がる子が多いですが、週に一回程度行うだけでも効果があります。さっと優しく拭き取って手早く終わらせてあげましょう。

ドライフードとウェットフードはどちらが良いのか

ドライフードとウェットフードはどちらも猫の食生活を豊かにしてくれます。どちらか一方ではなく、それぞれの特徴を上手に組み合わせることで、お互いを補い合うことも相乗効果を得ることもできます。また、年齢や体調の変化などその時々の猫の状態に合わせて、与えるフードの優先順位を決めることにも役立ちます。

その他にドライフードやウェットフードに使用されている原材料や添加物、保存料にも違いがあります。商品のうたい文句を鵜吞みにせず、手に取ったフードにはどのようなものが含まれているのか自分の目で確認することが大切です。

猫はなかなか言うことを聞いてくれません。一生懸命選んだフードを食べてくれないこともあります。でもこちらの思い通りにならないのが猫の魅力です。困ったら一人で悩まずに同じ悩みを抱えている人を探したり動物病院へ相談したりしましょう。